滋賀県の三日月大造知事はこのほど、文化庁の都倉俊一長官と面会し、2024年度の彦根城の世界遺産登録実現に向けた
取り組みについて支援を要請した。

 2年後の登録を実現するには、県と彦根市は本年度中に推薦書の原案を完成させ、文化審議会による国内推薦の選定を経て
国連教育科学文化機関(ユネスコ)に提出する必要がある。同審議会からは昨年、江戸時代の地方統治を象徴する
彦根城の普遍的価値などを示すよう指摘があり、原案の改訂に取り組んでいる。

 三日月氏は「統治の仕組みが人類史的、世界史的にどのような意味を持つか。平和の象徴を築いた歴史とともに丁寧に(原案に)記していきたい」
と述べ、彦根城の保存管理を確実にし推薦書の作成が加速できるよう支援を要望。都倉氏は「何もハードルはない。時間的な問題があるだけで、
世界遺産候補としてはやりやすい」と評価した。

 面会後、三日月氏は「長官からは一緒に頑張りましょうというお心をいただいたと理解しているが、競争も激しいし、
審査も厳しいので我々もしっかりやっていかなければ」と語った。

 長官との面会は、政府の新年度予算策定に向けた県の政策提案・要望の一環。三日月氏は農林水産省や環境省なども訪れた。

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