日本がミサイル攻撃受けたらどうする? 専門家が「生存確率を高める行動」を解説〈AERA〉


ロシアのウクライナ侵攻や北朝鮮のミサイル発射……。
日本への攻撃も懸念されるが、もしものときにどう行動すればいいのだろうか。
AERA 2022年5月16日号は、専門家に生存確率を高める行動について聞いた。


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 ウクライナ侵攻を受け、ミサイルのリスクをどう考えればいいのか。

「北朝鮮、ロシア、そして中国は日本をミサイル攻撃できる状態です」

そう指摘するのは、日本大学危機管理学部の福田充教授だ。
北朝鮮はすでに通常弾頭であれば飛ばすことができ、ロシアは日本に向けたミサイルを極東に配備、
中国は核ミサイルを多数保持しているとされている。

「ただ、現状ではロシアが日本に戦争を仕掛ける合理性はありません。
 それは中国も同じで、技術と能力はあるけれど、その可能性は低いという見方が主流です。
 ですが、技術や能力はまだ乏しいけれど、攻撃してくる可能性があると分析されているのが北朝鮮です」

日本では、2004年からミサイル防衛システムを整備。
イージス艦に弾道ミサイル対処能力を備えたり、PAC−3を配備するなどして対策をとっている。

だが、これらは「撃たれるミサイルの数に依存している」と福田教授は言う。

「少数であれば撃ち落とせますが、数が増えるほど打ち漏らすリスクは高まります。
 いつどこに発射されるのかにも影響されるので、迎撃システムが完璧とは言えない側面もあります」

大阪市の松井一郎市長は、北朝鮮の相次ぐミサイルの発射やウクライナ侵攻を受け、
大阪メトロの地下鉄99駅を避難施設に指定したと発表。ミサイル攻撃に懸念を示している。

もし、ミサイルの脅威が身近に迫ったら──。
福田教授によると、シェルターがあるならそこに、ないなら地下に。
屋外よりも建物の中へ、家にいるなら窓から離れ、風呂場などに避難するのも一つだという。

「何分で飛んでくるのかは、撃たれたミサイルの種類によります。5分かもしれないし、30分かもしれません。
 遠くの安全なところより、近くのやや安全なところを目指し、生存確率を少しでも高める行動をとることが大切です」

(編集部・福井しほ)

※AERA 2022年5月16日号より抜粋

https://news.yahoo.co.jp/articles/457f71e6f6d0279b6a36ad106acf1b9f0c9a7982