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北海道斜里町の知床半島沖で26人が乗った観光船「KAZUI(カズワン)」が行方不明になった事故で、同船と事故直前に無線でやりとりし、救助を要請する118番通報をした男性が朝日新聞の取材に応じた。切迫した声が聞こえてきて通報に至ったという。

この男性は、カズワンの運航会社「知床遊覧船」と同じく斜里町内に事務所を置く同業他社の従業員。

男性は事故直前の23日午後1時ごろ、知床遊覧船の事務所を訪問。
帰港が遅れていたカズワンがいつごろ戻るのか尋ねたところ、事務所にいた人から「船長の携帯電話がつながらない」との返事があったという。

 その後、自社の事務所に戻った男性はカズワンと連絡を取るためアマチュア無線の電源を入れ、やりとりを始めた。
すると数分後に「『カシュニの滝』辺りにいるが相当遅れる」とのカズワンからの音声が聞こえてきたという。
当初は落ち着いた口調だったが、その10分ほど後に、「救命胴衣、着させろ」と切羽詰まった様子の声が流れてきたという。

 心配になった男性が無線で状況を尋ねると「浸水していてエンジンが止まっている。沈むかもしれない」「船が傾いている」と返答があった。男性は午後1時13分、カズワンの救助を求める118番通報をした。

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