ウクライナのゼレンスキー大統領は12日、ロシアによる侵攻が差し迫っているとする米政府の見解について「我々は米国の諜報(ちょうほう)データを受け取っており、分析する」とする一方、「いまウクライナで戦争が差し迫っているわけではない」と話し、国民やメディアに冷静な対応を求めた。南部ヘルソン州で行われた軍と警察合同の演習を視察し、記者団に語った。
ゼレンスキー氏はまた、「我々の国の状態は、我々の政府や国民にかかっている」と、ウクライナ政府の責任で独自の判断をすると強調。関係国と緊密な連絡をとっているとも話し、「緊張緩和を実現できるのは外交的手段だけだ」と語った。

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米国防総省は12日、ウクライナで同国軍への助言や指導にあたってきた米軍部隊160人に一時的な配置転換を命じたと発表した。ウクライナを離れ、欧州内の別の国に移るという。
同省のカービー報道官は「兵士の安全と安心を最優先に考え、慎重に決断した」としたうえで、「この配置転換はウクライナを支援するという我々の決意を変えるものではない」とする声明を出した。
また米国務省は同日、ウクライナの首都キエフにある米大使館職員の大半に対し、即座に国外退避するよう命じたと発表した。一部の職員は、ポーランド国境に近い西部の都市リビウに移り、緊急の領事業務のみを継続するという。
同省はウクライナ国内に残る米国人に対しても、改めて即座に国外退避するよう求めた。同省高官は「いまはウクライナを去る時ではない。すでにその時は過ぎている」と述べ、一刻も早い対応を促した。
高官は、大使館職員を必要最低限に絞ることにした理由として「状況はますます激しい衝突に向かっていっているようだ」との見解を示した。「戦争地帯では、我々ができることは限られている」と指摘し、軍事侵攻となれば、米軍による救出作戦も期待できないと述べた。

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