東京都葛飾区は、区内を南北に走るJR貨物線の旅客路線化事業に着手する。
近隣には映画「男はつらいよ」の舞台となった柴又帝釈天もあり、観光振興や街づくりの起爆剤とする構想だ。
区は2030年頃に一部区間の開業を目指しており、高齢者や障害者が利用しやすい低床の
「LRT(次世代型路面電車)」型車両の採用も検討する。

 葛飾区の青木克徳区長は「排ガス削減など『脱炭素化』の潮流の中で公共交通機関の重要性は高まっている。
早期開業を実現したい」と語った。区は近く、JR東日本や国土交通省、都などと検討会を発足させて調整を本格化させる。
JR東も「区の検討に協力していきたい」としている。

葛飾区が旅客化を検討しているJRの新金貨物線
 旅客化の対象は、JR総武線・新小岩駅付近と常磐線・金町駅を通る単線の「 新金しんきん 貨物線」(約7キロ)。
東京と千葉をつなぐ輸送網として大正期に整備されたが、貨物輸送の多様化に伴って運行本数は減っている。

 計画案では、7〜10の駅を新設。ピーク時は約10分間隔で運行して新小岩―金町駅を約20分で結ぶ。
帝釈天最寄りの京成線に接続できる駅も設け、1日約4万人の利用を見込む。
区は整備費を約200億〜250億円と試算し、100億円規模の基金を積み立てる。

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