ついに打ち上げ ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡。宇宙の新たな姿が見られるまで6カ月見守ろう
2021/12/25(土) 18:52 フリーランスライター 秋山文野
構想から約32年、大型宇宙望遠鏡ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が日本時間2021年12月25日21時20分に打ち上げられる。
米国、欧州、カナダの共同計画でハッブル宇宙望遠鏡の後継機であるJWSTは、口径約6.5メートルと宇宙望遠鏡としては世界最大の主鏡を持ち、宇宙の初期の姿や系外惑星の環境を調べる能力を持つ。
当初2007年の打ち上げ計画から、開発難航で何度も延期され、射場のあるギアナ宇宙センターに到着してからもロケット搭載の調整や天候のため打ち上げ日時が変更になった。
気をもませるJWSTの打ち上げだが、25日夜にロケットから衛星が分離されてもすぐに成功ではない。
これから6カ月、史上最大の宇宙望遠鏡がその真価を発揮できるかどうか、関係者は2022年夏まで気をもまなくてはならないのだ。JWSTはなぜ観測開始までにそれほど時間がかかるのか。
その理由は、人間の目では見えない波長で太古の宇宙を観測するという目標と深く絡み合っている。
JWSTは、可視光では宇宙に漂う塵やガスに遮られて地球から見ることができない天体の姿を近赤外と中間赤外の波長で捉える。
宇宙の膨張とともに遠方の天体が発する光は赤方偏移によって赤外線の領域になっていくため、遠く、そして古い宇宙の初期の天体に迫るには赤外線での観測が必要だ。
また近赤外から中間赤外の領域には、水やメタン、オゾンなどの物質で吸収されたときに特徴を示す部分がある。これを捉えることができれば、太陽系の外の惑星に生命を育む環境が存在するかどうか知る手がかりとなる。
https://news.yahoo.co.jp/byline/akiyamaayano/20211225-00274362
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