オラクル、医療情報技術のサーナー買収発表−3兆円超の大型案件
2021年12月21日 0:11 Bloomberg
米ソフトウエア大手オラクルは、電子カルテなどを提供する米医療情報技術会社サーナーを約283億ドル(約3兆2110億円)で買収することで同社と合意した。
医療業界の大規模な顧客ベースをオラクルのクラウド事業やデータベースビジネスに取り込む。
買収は全額現金で行われ、オラクルにとっては過去最大の案件となる。両社の20日発表によれば、オラクルはサーナー1株に対し95ドルを支払う。
これは買収交渉が最初に報じられた16日の終値を20%上回る水準。20日の米株式市場でオラクルの株価は一時4%下落。
重要ニュース発表前として売買が一時停止されていたサーナーの株式は、売買再開後に約1%高で推移している。
オラクルのサフラ・カッツ最高経営責任者(CEO)は今回の買収について、調整後ベースで「直ちにオラクルの業績拡大につながる」とし、
「買収完了から2会計年度以降の利益に著しく」寄与すると説明した。両社によれば、買収は来年に完了する見通し。
売上高で第2位のソフトウエアメーカーであるオラクルは、レガシーデータベース製品で知られ、ここ数年はクラウドコンピューティングの分野で
米アマゾン・ドット・コムや米マイクロソフトなどに大きく後れを取り、地歩を固めるのに苦闘している。
オラクルはサーナー買収により、ヘルスケア業界向けのテクノロジー分野で大きな足がかりを得る。
市場調査会社IDCによれば、ヘルスケア業界は2023年までにクラウドインフラやソフトウエアに158億ドルを費やす見込みだ。
サーナーの売上高は2020年に55億1000万ドル。今年は5%増の58億ドルと予想されている。
ミズーリ州ノースカンザスシティーに本社を置く同社は、約2万3000人を雇用する。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-12-20/R4F52WDWRGG001