指を電気で強制的に操るデバイス、米シカゴ大が開発 楽器の演奏指導などに活用


米シカゴ大学の研究チームが開発した「DextrEMS: Increasing Dexterity in Electrical Muscle Stimulation by Combining it with Brakes」は、
指の動きをそれぞれ操作できるハプティクスデバイスだ。電気的筋肉刺激 (Electrical Muscle Stimulation、EMS)と、
指の関節に配置される機械的なブレーキが備わった外骨格デバイスで、装着者の指4本(親指を除く)を器用に制御する。

 EMSとは、皮膚に取り付けた電極から電気信号を与え、運動神経を刺激することで筋肉を運動させる技術を指す。例えば、前腕の筋肉に電気刺激を与えると指が動くなど。

 前腕の筋肉に電気刺激を与えるこれまでのEMSデバイスでは、他の指も同時に動き、指1本を独立して動かせない課題や、
不要な振動が邪魔だった。これら課題を解決するためにこの研究では、それぞれの指に機械的なブレーキをかける外骨格デバイスで補助するアプローチを提案する。

 デバイス本体の重さは68gと軽量。ブレーキやバッテリー、無線を駆動するカスタムPCBを介してスタンドアロンで動作。
機械的なブレーキは、指の関節8つ(4本の指の中手指節関節と近位指節関節)に整備しているため、各指が内側に曲がるリアルな指の動作ができる。EMSの電極は、
指の伸展用に前腕の背側と、屈曲用に前腕の掌側へ配置する。

 これにより、EMSによる指の屈曲と伸展の両方において、動かしたくない指にブレーキをかけ、動かしたい指だけを開放できるようになり、
独立した指の動きや不要な振動を除去できるようになった。解放した指も正確な角度や位置で止めるといった、詳細な動きも行える。

https://news.yahoo.co.jp/articles/778fffce6ce17ac3823583f4ee3aa1b2944cb98e