文化人類学者・中根千枝さん死去 女性初の東大教授、「タテ社会の人間関係」
 「タテ社会の人間関係」などの著書で知られる社会人類学者で、東京大名誉教授の中根千枝(なかね・ちえ)さんが10月12日、老衰のため死去した。
94歳。葬儀は親族で行った。喪主は妹、松井淳子(まつい・あつこ)さん。
 大正15年、東京生まれ。
子供のころは北京で過ごし津田塾専門学校(現津田塾大)を卒業した後、昭和25年に東大文学部東洋史学科を卒業。
東大大学院修士課程を修了後、インドに留学し、ジャングルでフィールドワークをするなどして研究を重ねた。
 女性で初めて東京大教授に就任、学術分野で女性初の文化勲章を受けるなど、女性研究者のパイオニアとして活躍した。
 昭和42年に出版された「タテ社会の人間関係」はインドや西欧との比較から、日本を年次や序列などの「タテ」の関係で構成された社会として分析。
100万部を超すベストセラ
ーとなり、各国で翻訳刊行された。「未開の顔・文明の顔」で毎日出版文化賞を受賞した。
https://www.sankei.com/article/20211105-E7FN5CMB7ZKGJOZLX4KAUHN3QY/