二酸化炭素の排出量が少ない液化天然ガス(LNG)の価格が昨年の10倍に高騰し、電気・ガス代も恐ろしく上がっています。

LNG高騰の原因は、昨冬の寒波や世界的な経済再開、中国の爆買いです。アフターコロナによる世界的な経済の急激な再開で、1〜2年後には値下がりするかもしれませんが、中国の需要は長期的に続きます。二酸化炭素排出量の多い石炭から液化天然ガスへの移行が急速に進んでいます。

欧州でも需要が増加していますが、仕入れコストが負担になり、イギリスでは電気・ガス会社の小売業者の10社が倒産しました。LNGは、天然ガスをマイナス162度に冷やして体積を600分の1にするので、もともと輸入コストが高い上に、生産量が増えてないので、電気・ガス料金は長期的に値上がりする懸念もあります。

■電気代は1月から1000円アップ

東京電力など大手電力は2021年に入り、ほぼ毎月のように電気料金を値上げしています。東電の標準家庭の料金は11月も前月から133円値上げされ、1月からの上昇幅は1000円を超えています。

生活防衛が必要でしょう。プロパンガスを利用している家庭は都市ガスへの変更で最大30%も安くなります。お風呂は夕方5時までに入ることです。寒くなると冷えてその分、長くお湯を出したり温度を上げることになってしまいます。

浴室での洗濯物の乾燥も温度が高い日中のほうが夜や雨の時よりも早く乾きます。お風呂上がりは残り湯を入れたペットボトルを湯たんぽにします。1つの部屋に家族が集合して、その部屋だけ暖房をつけるのも手です。

1人用ホットカーペットは、高中低のスイッチで低を利用できるので消耗電力が半減するのもメリットです。

暖房の温度は20度より高くしないこと。1度で消費電力が10%減ります。カーテンの隙間にはガムテープをして床にはマットレス、小型じゅうたんを使うことです。また、鍋に入れる料理前に、お肉は小さく切ってガスコンロの使用時間は最大5分までに減らしたり……。こまめなチェックでガス、電気それぞれ2割は安くできます。

料金高騰!「電気・ガス代」を節約する今すぐできるワザ
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2021/10/27 06:00 柏木理佳

1968年生まれ。生活経済ジャーナリスト。MBA(経営学修士)取得後、育児中に桜美林大学大学院にて社外取締役の監査・監督機能について博士号取得。香港、シンガポール、豪州、中国に滞在し、世界15カ国の人と働いた経験を持つ。著書は「ひきこもりは“金の卵"」(日経BP)、「デキる女にはウラがある」(あさ出版)など多数。