ロンドンでは、空気汚染が原因で毎年約9400人が亡くなっていた

PM2.5は思っていた以上に危険

世界保健機関(WHO)は今年9月、2005年以降初めて、大気質に関する指針を更新した。
新ガイドラインに示されている有害物質のひとつがPM2.5で、
米メディア「CNN」によると「1立方メートルあたりの濃度を10マイクログラムから5マイクログラムへと半減させる」ことが推奨されているという。
大気汚染レベルの基準が以前よりも厳しくなったため、危険な水準まで汚染されている地域に住む世界人口が増えることになる。

PM2.5は最も小さい汚染物質だが「最も危険な物質の一つでもある」と同メディアは続ける。
吸い込むと肺組織の奥深くまで到達し、血流に入り、喘息や心血管疾患など呼吸器系の病気の原因となる可能性があるのだ。

実際に2016年には、大気汚染に起因する全死亡者数の半分以上にあたる約410万人の死因が、PM2.5に関連していた。
もし当時の時点で今回の新しい大気質ガイドラインが適用されていれば
「PM2.5が関係する死は80%近く減少していた、すなわち330万人が助かったことになる」とWHOは発表している。

そうしたなか、イギリスは思い切った施策を2019年4月から始めていた。
ロンドン中心部の約20平方キロメートルのエリアを「超低排出ゾーン(ULEZ)」とし、
走行するすべてのドライバーに厳しいガス排出基準を課したのだ。この基準を破ると、通行料の支払いが発生する。
対象は2015年以前に製造されたディーゼル車や、2006年以前のガソリン車などで、1日12.5ポンド(約1960円)が徴収される。
タンクローリーや長距離バスなどの大型車の場合は100ポンド(約1万5700円)と、なかなか厳しい。

<つづく>

https://news.yahoo.co.jp/articles/580d85fe2b81945a3405bbc1bfe6256a8dc4a29b