告示前日の16日、河野氏を支持する議員の会合「河野太郎の総裁選必勝を期す会」が都内のホテルで開かれ、
早々に支持を表明した環境相の小泉進次郎氏や出馬を取りやめて河野氏支持に回った元幹事長の石破茂氏ら57人の国会議員が集まった。そこで小泉氏はこう発言した。

「派閥の行動が『自主投票』と言われている。だが、水面下の動きを見れば全くそんなことはない。議員1人1人に強烈な働きかけがある。そんな声が若手の議員から私のところに届いている」

また石破氏は「変えなければならない自民党が存在している。古い自民党との戦いだ」と語った。「古い自民党」とは締め付けをかけてくるような古手の長老議員を指しているのだろう。

ここで注目されているのが、安倍氏の言動である。

安倍氏は高市氏の支持を公言している。それは岸田氏を支持しないということではなく、河野氏を「首相にしたくない」と考えているからだ。

今回の総裁選は、382票の国会議員票と同数の党員・党友票の計764票で実施される。
1回目の投票で過半数を取る候補がいなければ、上位2人による決選投票となる。
決選投票は国会議員票(382票)と都道府県連票(47票)の計429票で争われる。

高市氏や野田氏が立候補したことで、1回目の投票でいずれの候補も過半数を獲得できず、決選投票になる可能性が高い。
安倍氏自身も2012年9月の総裁選では、1回目の投票で石破氏に敗れたものの、決選投票に持ち込んで逆転勝利を収めている。

決選投票は国会議員票をひとつにまとめやすい。そのうえ、河野氏が強いとみられる党員・党友票は8分の1にまで減り、岸田氏が断然、有利となる。
安倍氏は院政を引いて自らの権勢を維持し、憲法改正などに向けて次の政権を思うように動かしたいのだろう

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