“密フェス”が社会問題化するなか、千葉県千葉市の「ZOZOマリンスタジアム」で大規模
音楽フェス「スーパーソニック」が開幕した。緊急事態宣言下にある千葉市が中止を求め
る中、主催者が「感染防止対策を徹底する」として開催に踏み切り、話題を集めていた
フェス。実際、現場はどうだったのか。8月に「フジロック」を取材した記者が会場内を見てきた。

 フジロックの場合は、地面にソーシャルディスタンスの目安となる黄色い目印が打ち付
けられているだけで、ステージが佳境になると我を忘れた観客はいつしか密集していた。
だが、ここでは否応なく一定の距離を取らされる。加えて、スタンド同様、おびただしい数
の監視の目が光っていた。

 ステージの最中も、「声援禁止」のプラカードを持った係員が、そこら中を巡回している。
曲の合間に記者の後ろで、若い男性同士が談笑していると、すかさず係員が飛んできて、
「会話はお控えください」と注意していた。歓声を上げようものなら、すぐさまつまみ出さ
れてしまうのだろう。

 以上が、スーパーソニックの会場内のレポートである。世間の目を気にしてか、徹底し
た感染対策が敷かれていたことは確かである。だが、記者が思ったのは、どこで何をし
ていても窮屈さがあったところだ。会場で話を聞いた30代の女性会社員はこうこぼした。
スパソニ2

「フェスって大好きな音楽を思いっきり楽しんでストレスを解消する場だと思うんです。
もちろん、このご時世だからこれだけでも満足しなければならないんですが、声も出
せない、お酒もダメ、いたるところに監視の目ってのは、ちょっと窮屈過ぎですよね。
これだと家でライブ配信を見ていた方がいいかなって思っちゃいました」

https://www.dailyshincho.jp/article/2021/09182225/?all=1&;page=2