織田信長による延暦寺焼き討ちから450年となり、12日、大津市の比叡山延暦寺で行われた法要に信長と明智光秀の子孫が初めて参列し、ともに犠牲者を悼みました。

比叡山延暦寺は、戦国時代の元亀2年9月12日に起きた信長と家臣の光秀らによる焼き討ちで多くの犠牲者を出し、毎年法要を行ってきました。

焼き討ちから450年となることしは、延暦寺を開いた天台宗の開祖・最澄が亡くなって1200年の節目と重なることから、「相手を許すことで、うらみを無くす」という最澄の教えに基づき、焼き討ちの犠牲者をともに悼もうと、信長と光秀の子孫を初めて招きました。

法要には、信長の子孫の織田茂和さんと、光秀の子孫で作家の明智憲三郎さんが参列し、僧侶がお経を読み上げる中、2人は焼香をあげたあと、供養塔に手を合わせて深々と頭を下げ、犠牲者を悼んでいました。

このあと、開かれたシンポジウムで織田さんは「延暦寺から話をいただいた時は信じられなかったが、最澄の教えを聞き法要の参加を決めた。信長も延暦寺の厚情に感謝していると思う」と話していました。

また、明智さんは「明智の一族はかつて名前を隠すなど苦難の日々を歩んできた。そういう意味でも、きょうは信長、光秀の子孫にとって新時代の幕開けとなる1日で、光秀も喜んでいるだろう」と話していました。

そして、延暦寺の水尾寂芳執行と3人で拳をつきあわせる「グータッチ」を行って、今後の交流を誓っていました。

水尾執行は「織田家、明智家が参加していただいたことで、非常に意義深い法要となった。多くの犠牲が出た歴史の上に私たちが立っていることを考え、きょうをきっかけに新しい関係をつくっていければ」と話していました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210912/k10013256091000.html