商業ビルを爆買いする中国人「東京のビルは上海のマンション1室より安い」

北海道での中国資本の土地買収が話題になっているが、実は首都・東京でも水面下で同じトレンドが起きていた。ターゲットは商業ビル。何が起きているのか、当事者に緊急取材した!!

 出口の見えないコロナ禍の暗雲が、都心の不動産市場をものみ込んでいる。オフィス仲介大手・三鬼商事によると、7月の都心5区のオフィスビルの平均空室率は6.28%に達した。2年前の同月は1.71%だったが、感染拡大後は右肩上がりで推移し続けている。

「最大の要因は、コロナ禍でのリモートワークの普及。この波は収束後も続くと見られ、ビルオーナーにとっては頭の痛い話です」

 そう解説するのは、不動産ジャーナリストの榊淳司氏だ。今後、空室率の上昇はオフィスビルにとどまらず、商業ビル全体のトレンドになると榊氏は指摘する。

「飲食店が多数入居しているような雑居ビルは今後ますます苦しくなる。飲食店は、協力金でギリギリ生きながらえているところも多いですが、問題はコロナ後。一度離れた客は戻らないし、リモート化で会社員が減れば都心の飲食店は大打撃です。これまで以上の撤退ラッシュが予想されます」

 実際、銀座や秋葉原、歌舞伎町、新橋などではテナントがすべて撤退した空きビルの存在も目立つ。

蒲田、大森、中野エリアの商業ビルが人気

 こうしたなか、空室率の高さにあえぐ日本の商業ビルに触手を伸ばす人々がいる。中華圏の投資家と日本の不動産をマッチングするプラットフォーム「神居秒算」の代表・趙潔氏は言う。

「コロナの感染拡大で、中国人や企業の不動産購入はいったん落ち着いていたのですが、2月あたりから、また動きが活発になってきている。商業物件は買い手市場になってきていることと、コロナ後に人出や外国人観光客が戻ると見込まれていることが背景にあります。

 不動産投資ファンドの場合、銀座や赤坂を中心とした都心6区の好立地ビルに関心が高く、価格については重視されていない。一方、個人投資家の間では1億〜2億円ほどで買え、表面利回りで5〜6%ほどを見込める蒲田、大森、中野のような商住一体型のエリアの商業ビルが人気です」

続く
https://news.yahoo.co.jp/articles/672137f67e7857a39207d9086fff6aedb321c37f