中国若手外交官18禁ツイートの真相 #1

安田 峰俊 1時間前

 今年8月4日、中華人民共和国駐大阪総領事館による15:54:09付けのツイートがちょっとした話題になった。近年になり西側各国から厳しい目を向けられている、新疆ウイグル自治区における少数民族弾圧問題に関係した内容である。

https://bunshun.jp/articles/-/47822

 内容の正誤や道義的な妥当性はさておき、いかにも中国の在外公館が言いそうなことである。中国外交部は近年、西側各国に対して攻撃的・挑発的な言葉をぶつける「戦狼外交」の姿勢が常態化(この記事も参照)。駐大阪総領事館もその例外ではないというわけだ。

 しかし、今回のツイートには大きな問題があった。カッコをつけて凄んでみせたつもりが、陵辱モノ18禁ゲームの竿役みたいなセリフのせいで、とんだマヌケ文章になってしまったからである。

 結果、日本のネット上ではプチ祭りが発生。「日本人を笑わせて中国への親しみを抱かせるための高等なプロパガンダ戦術では?」と、うがった見方も飛び出したものの、当該のツイートは後日になり削除された。どうやら、純然たる言葉選びのミスだったらしい。(全2回の1回目/後編に続く)

(なお、新疆の少数民族を対象にした強制収容や強制労働・不妊手術などの実態については、ドイツの人類学者エイドリアン・ゼンツが精緻な調査結果を発表している。筆者(安田)は8月10日発売の月刊『文藝春秋』9月号にゼンツへのインタビュー記事を寄稿したので、ぜひご覧いただきたい)