中国、自国企業の海外上場規制を強化 データ流出警戒

【上海=土居倫之】中国は6日、中国企業の海外上場の規制を強化すると発表した。海外に上場する中国企業に関連する情報セキュリティーを確保するための規定を見直すほか、中国の証券法を域外適用するためのルールなどを整備する。
これまでアリババ集団など中国の巨大IT(情報技術)企業は、中国国内より多くの資金を調達できる米国など海外での上場を選んできた。今回の規制強化でこうした流れが大きく変わる可能性がある。

中国企業の海外上場を巡っては、6月に米国上場した滴滴出行(ディディ)などネット企業3社に対し、中国のネット規制当局が国家安全上の理由で審査を始めたばかり。

中国国務院と中国共産党中央弁公庁が6日、国営新華社を通じて連名で「証券違法行為を取り締まる意見」を公表した。同意見は、国境を越えた監督を強化するとしている。
具体的には、海外上場の中国企業について国境を越えるデータの流通や機密情報の管理に関する法律・規制を整備するほか、証券法の域外適用の制度を確立するなどとしている。

中国共産党系メディアの環球時報は4日、「米国に上場し、主要株主が外国企業である場合、国家は情報の安全をさらに厳格に管理する必要がある」と、データ流出への警戒を示していた。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB06B800W1A700C2000000/?n_cid=BMSR2P001_202107062057