川口市の外国人住民は、約3万9千人で、市人口の約6.4%を占めている。法務省の「在留外国人統計2020年6月末」によると、川口市に住んでいる外国人の数は、
東京都新宿区や江戸川区すらもおさえて、堂々の市区町村で1位となっている。

川口市によると、2005年には約1万5000人(同3%)だったのが、近年で急増しているという。市内は今、どうなっているのか。調べてみると……。

書籍「これでいいのか埼玉県川口市」(鈴木ユータ、松立学 共編/マイクロマガジン社)から一部を抜粋し、川口市の現状を紹介する。(文:地域批評シリーズ編集部)

居住者だけでなく、周辺からの「買い物客」も

こうした外国人の増加現象は川口市を中心として周辺地域に広がっている。2015年から2018年にかけ、戸田市ではおよそ2000人も増加し、同じように草加市でも約1500人ほど増えている。
荒川対岸の北区は同期間で約5000人、足立区ではなんと約8000人も増加。足立区は川口市とともに3万人規模の外国人を抱えるグローバルシティと化している。

急ピッチで川口一帯が外国人タウン化している理由については次項に譲るが、川口は周辺市街に住む外国人の来街者が多い。

西川口でとある中国人カップルに声をかけると、彼らは赤羽在住で、西川口の中国食材店に買い物に来たそうだ。筆者もあらゆる人種の外国人に話を聞いたわけではないが、
西川口周辺には本場の味を提供するディープな中華料理店のほか、中国やアジアの食材店が豊富にある。そのため、多くの中国人や東南アジア人が川口を生活の拠り所とし、
川口市内あるいはその周辺に居を構えているのかもしれない。

単純な移住者数だけでは示せないほど多くの外国人が街を闊歩している川口だが、さらに市内での外国人居住者数を見てみると、その分布が西川口周辺に偏っているのがわかる。

地区別に外国人の人口密度を比べてみると、最高値を叩きだしたのが京浜東北線の西側に当たる横曽根地区で、1ヘクタール当たり28人。次いで多いのは20.7人を記録した中央地区。
意外にも中国人だらけの芝園団地を抱える芝地区は12人とそこまで密集しているわけではない。

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https://article.yahoo.co.jp/detail/8a085b03441b8be97c77ed32ac2a909f013be321