「オリンピックは最大のスポーツイベントで、日本とIOCにとっては放送権とスポンサーシップという意味で数十億ドル規模がかかっている。
巨大イベントなだけに、全ての当事者に巨大な契約上の義務が伴う」 つまり、日本とIOCが開催都市契約の枠組みの中で、共に中止を決定することが、
唯一の現実的なシナリオになる。 もしそういう展開になれば、ここに保険という要素がからんでくる。IOCは保険に入っているし、地元の組織委員会も保険に入っているし、
放送各社やスポンサー各社も保険をかけているはずだ。 「もしも東京五輪が中止になるなら、こうした大会に関わる保険金支払いの案件として、
おそらく過去最大規模のものになるはずだ。紛れもなく」と、アンダーソン教授は言う。 保険金は大会主催者側の経費実費は補償する。しかし、
五輪開催を期待して日本国内で行われた数々な関連投資はほとんど補償されない。
たとえば、海外から観客が押し寄せると期待して各地のホテルやレストランが投資した改修費などは、取り戻せない。
「日本ではもう長いこと経済が停滞していたし、津波と福島の原発事故もあった。そのため、東京五輪は日本復興の象徴となったはずだ。そういう意味では特に大事な大会だ」
究極的に、大会を実施すべきかどうかの議論は、実際に実施されるかどうかとは別の話になる。近代五輪の歴史で、オリンピックが中止されたのは過去3回のみ。
1916年と1940年と1944年の大会中止はいずれも、世界大戦がその理由だった。 それだけに、どれだけ逆風が高まろうとも、IOCが中止を検討さえしようとしない姿勢から、
五輪に詳しい人の多くは東京大会は予定通り7月23日に始まるだろうと見ている。
それがどういう形での開催になるのかは、まだ不透明だ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b45fc7c4b2275387a266ef394691048266a9c066