「京急」社員たちが悲痛告白、低賃金と重労働の驚きの実態とは

「個人を駒ではなく人間として扱ってください」「現場の声をないがしろに
してきた結果が今の状態にあると思います」「顧客満足度は上位かもしれま
せんが、従業員満足度は最低です」――。これらは労働組合のアンケートに
寄せられた社員の声である。
 京急社員の置かれた状況を端的に表すのなら「重労働」と「低賃金」だ。
そして、京急乗務員の重労働を象徴する言葉として、しばしばネット上で
語られるのが「13連勤」というキーワードである。なぜ13連勤という過酷な
勤務が生じるのか。

 そもそも京急の乗務員は完全週休2日制ではなく、2〜3週に1度は週6日の
勤務が入ることになっているが、これに加えて欠員の穴を埋めるために休日
出勤を余儀なくされる。そして残った休日も、欠員対応や有給休暇を取得する
乗務員の代番として出勤すれば、13連勤の完成というわけだ。
 一方で13連勤が成り立ってしまう背景には低賃金の問題がある。基本給
だけでは生活ができないため、若手を中心に望んで休日出勤をする人たちが
いるからだ。もちろん彼らとて労働環境に疑問がないわけではないだろう。
しかし、生活のために無理をしてでも勤務に入らねばならないのである。
 取材をした20代の元車掌に当時の給与明細を見せてもらった。1カ月(31日)
のうち23日勤務(休日8日)で手取り14万円。13連勤を含む1カ月(30日)の
うち27日勤務(休日3日)で、手取り20万をようやく超える程度であった。
 京急退職者は皆「休みは少ないが高給か、休みを多くとれるが薄給か、
どちらかなら分かるが、京急は薄給で休みが少なく、激務だ」と語るが、
確かにこれでは働き続けることはできないだろう。輸送の安全を担う鉄道
職員が、これほどの低賃金、重労働というのは健全な状態とはいえない。
https://diamond.jp/articles/-/266735