NPO法人「日本トイレ研究所」(東京)が全国の小学生約1万人を調査(5678人回答)したところ、4人に1人の割合で便秘の疑いがあることがわかった。
小学生の排便の実態調査は珍しく、同研究所は「深刻な状況だ。保護者には食事や運動だけでなく、子どもの排便にも目を向けてほしい」としている。

 11月10〜19日、全国各地の53校の小学生約1万人を対象に、排便の回数や硬さなどを10日間記録するチェックシートを配布。全項目が記載された5678人分の結果を集計した。

 その結果、10日間のうち2回以上、「ころころ」か「ごつごつ」の硬い便だった児童が24・6%にのぼった。男女別では女子が27・4%で、男子(21・7%)よりも多かった。
日本小児消化管機能研究会などのガイドラインでは、2カ月のうち週1回以上「痛みを伴うか、硬い便通」があれば慢性便秘症としており、
同研究所は、硬い便と回答した児童について便秘が疑われると結論付けた。10日間のうち排便があった日数についても、便秘が疑われる「0〜3日」の児童が5・7%いた。

 同研究所の加藤篤代表理事は「家庭では多くが洋式便器だが、小学校の4割ほどが和式なので慣れておらず、排便を我慢しがちな傾向がある」と指摘。
睡眠不足や学校生活のストレスも、原因として考えられるとし、「便秘が続くとイライラして勉強に集中できなくなる。
健康的な生活習慣のためにも、排便の大切さを教える教育が必要だ」と話している。【韓光勲】

https://mainichi.jp/articles/20201221/k00/00m/040/175000c