中国でコロナ影響の不動産トラブル相次ぐ 自殺者も

中国では新型コロナの影響で不動産賃貸をめぐるトラブルが相次いで発生。家賃を払っているはずの入居者が突然、退去を迫られ、自殺にまで追い詰められる事態も起きています。
 焼け跡が生々しく残ったマンションの一室。中国メディアによりますと、今月3日、南部の広東省広州市のマンションで、18階の部屋に住む鍾春源さん(20)が部屋に火をつけたあと飛び降り自殺を図り、死亡しました。
 鍾さんは大学を卒業したばかりで、不動産の「サブリース」、いわゆる「また貸し」をする会社から部屋を借り1年分の家賃は前払いしていました。しかし、実際には家賃は大家には支払われていなかったため、鍾さんは先月、突然、退去を求められ精神的に追い詰められていたということです。
 「会社の入っているビルの前には、あちらのように複数の警察車両が止まっています」(記者)
 「あなたが門番だろ?(中に入るのに)あなたに聞かず、誰に聞けばいいんだ?」(支払い求める大家)
 この「サブリース」会社をめぐっては、中国各地で大家への支払い滞納が相次いでいるほか、家賃の返金などを求める借り主が会社に押しかけ社会的問題となっています。
 「出張先で知って戻ってきたが、サブリース会社とずっと連絡が取れず、捨て置かれた感じだ」(部屋の借り主の男性)
 「借りた家の契約は残っているが、サブリース会社が家賃を払っていなかったせいで、大家に引っ越してくれと言われた」(部屋の借り主の男性)
 問題の会社は新型コロナの影響などで資金繰りが悪化し、経営危機にあるとされていますが、「通常通り営業を行っている」と主張。中国政府は「関係部門が対応を処理している。事件化された場合は法律に基づき、個人・法人の合法的権益を保護する」として沈静化を図りたい考えです。

TBS 2020/12/8 15:52
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4145812.html