一方で、ウイルスの変異がひとつの希望をもたらすことはあまり知られていない。コロナウイルスの周囲には、人間の細胞にくっついて影響を与える「突起(スパイク)」がある。そのスパイクが変異することで、ウイルスは伝播や増殖がしやすくなる。

 遺伝子変異分野のプロである京都大学大学院特定教授の上久保靖彦さんは、本誌・女性セブン2020年9月24日・10月1日号にこう指摘していた。

《新型コロナのスパイクが変異可能な数は最大で12〜14で、ひと月に1回ほどの頻度です。(中略)S型(※最初に中国で発生した先祖型で“弱毒タイプ”。2019年12月から世界に広がった)が始まったのが昨年12月なので、今年の11月には最後の変異を終えて、その後消失し、ただのコロナウイルスになります。それはコロナウイルスのメカニズムで決まっていることなのです》

 コロナウイルスは性質上、変異できる回数がおおよそ決まっているとの見解だ。そうだとすれば今回の変異が最後となり、人類に大きな危害を加えない「普通の風邪」になると考えられるのだ。「第3波」はコロナの“最後の悪あがき”かもしれないのだ。

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https://www.news-postseven.com/archives/20201119_1614018.html