「勉強が出来る」ということ
――行いて余力あらば即ちもって文を学ぶ――

日本では「勉強が出来る子」と言えば、試験で成績の良い生徒のことを意味するが、
同じ言葉を世界の中で用いれば、それは「学校に通って勉強できる恵まれた環境にいる
子ども」を意味する。世界広しといえども、日本ほど長時間「勉強出来る」特権を子どもが
享受する国はほかにない。

だが、「勉強出来る」環境は当たり前のものではない。親は子に対しまじめに勉強に
向き合う大切さを伝えるべきだが、それ以上に、勉強以外に価値あることがたくさんあることも
教えなければならない。

勉強は親が頼んで子どもにしてもらうものではけっしてない。「勉強より大事なこと」は何か。
もとよりこの問いの答えは一つではない。親は自分の言葉で子どもに自分の考えを伝えてほしい。
人が生きる上で大切なことは何か。親が自分の経験や夢、思いの丈を具体的に語らなければ、
子どもはどこでそれを学ぶのだろうか。

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