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印刷代行サービスのキンコーズ・ジャパン(東京・港)は31日、国内直営店の24時間営業を9月1日から廃止すると発表した。同社は1992年に24時間営業を開始。時間の制約のないサービスを強みとしてきたが、新型コロナウイルスによる生活様式の変化と、働き方改革の流れを踏まえ、24時間の有人営業の廃止を決めた。

24時間営業を廃止するのは汐留店(東京・港)などの18店舗が対象。フランチャイズ店は含まれない。営業時間は多くの店舗で午前8時ごろから午後10時ごろまでに切り替える。これまでも午前3時から午前4時などの時間帯は来客が少なかったという。営業時間を短縮して業務の効率化を図り、店舗スタッフの働き方改革にもつなげる狙いだ。

新型コロナの影響で同社では3月から全店で営業時間を短縮。現在、24時間営業を実施している店舗はなく、影響は軽微となる。

24時間営業の廃止は日本のビジネス環境の変化が背景にある。かつては翌日のイベントに間に合うよう、深夜までチラシなどの書類を作成する需要が大きかった。2019年ごろからオンラインでの出稿などに需要が変化し、店舗の窓口の必要性が薄れていったという。

キンコーズはサービスのデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めており、3月にはテレビ会議で書類の仕上がりを確認できる「オンライン商談」を始めた。印刷物は指定の場所に配達できる。事前に予約していれば24時間商談できる。今後もサービスのDXを推進していく。