2020年08月25日 11時51分00秒
中国メーカーの超低価格スマホが出荷された時点でマルウェアに感染していたことが判明
by Blogtrepreneur

世界的なスマートフォンメーカーといえばAppleやSamsung、Huaweiなどが有名ですが、
最低価格が数千円台という低価格帯スマートフォンで高いシェアを誇るメーカーに、
中国の「Tecno」があります。Tecno製スマートフォンはアフリカを中心とする発展途上国で人気ですが、
新たな調査でTecno製の超低価格スマートフォンに「出荷時点でマルウェアが組み込まれていた」ことが判明しました。

Tecnoは中国の深センに拠点を置く伝音科技(Transsion)というメーカーの子会社であり、アフリカ市場を中心にTecnoブランドの超低価格スマートフォンを展開しています。Transsionは日本やアメリカなどの先進国では無名ですが、アフリカの発展途上国向けに超低価格スマートフォンを展開することに注力し、アフリカでは第1位のシェアを誇るメーカーです。

2020年、南アフリカに住むMxolosiさんという男性は、「Tecno W2」というスマートフォンを30ドル(約3200円)で購入しました。Tecno W2はSamsungやNokia、Huaweiのスマートフォンよりも非常に安かったため、新型コロナウイルスのパンデミックにより失業中のMxolosiさんにとって魅力的だったとのこと。

しかし、MxolosiさんがTecno W2を使っていたところ、通話やチャットをしている最中に不自然なポップアップ広告が表示されたり、インストールした覚えがないアプリの有料サブスクリプション購入を勧めるメッセージが届いたりしたとのこと。さらに、プリペイドのデータ容量が不自然に使い果たされる事態も発生したため、MxolosiさんはTecno W2で通信データを購入しなくなったとBuzzFeed Newsに述べています。

モバイルセキュリティ企業のSecure-DとBuzzFeed NewsがMxolosiさんのTecno W2を調査したところ、Android向けマルウェアの「Triada」と「xHelper」に感染していることが判明。これらのマルウェアは悪意のある広告を表示したり、不正なアプリのインストールを行ったりすることが知られています。

Secure-Dの保護システムは、モバイルキャリアがネットワークと顧客を不正な通信から保護するために使用されています。2019年3月〜12月にかけてSecure-Dの保護システムは、Transsion製スマートフォンにプリインストールされたマルウェアによる不正な通信を、合計で84万4000回もブロックしたとのこと。マルウェアに感染したTecno W2は南アフリカやエチオピア、カメルーン、エジプト、ガーナといったアフリカ諸国に加え、インドネシアやミャンマーにも輸出されていたそうです。