アウシュビッツ博物館、再開に向けて新たな完全自動の全身消毒ゲート導入 ポーランドの大学が開発
佐藤仁 | 学術研究員
6/24(水) 21:30
https://news.yahoo.co.jp/byline/satohitoshi/20200624-00184903/
第2次大戦時にナチスドイツによって約600万人のユダヤ人、ロマ、政治犯らが殺害された、いわゆるホロコースト。ホロコーストの象徴的な存在が、110万人以上が殺害されたポーランドにあるアウシュビッツ絶滅収容所だ。
先日アウシュビッツに収容されていたポーランド人収容者からの手紙がデジタルアーカイブとして公開されたり、いまだにホロコースト教育が欧米やイスラエルでは行われている。
現在でもアウシュビッツ・ビルケナウ博物館として欧米やイスラエルの修学旅行生や観光客が多く訪れ、2019年には過去最高の230万人が訪問。内訳としてはポーランド人約40万人、イギリス人20万人、アメリカ人12万人、ドイツ人7万人。特に春や夏はいつも混雑しており、いわゆる密状態だ。
だが、新型コロナウィルスの感染拡大防止のために、閉鎖していた。そして2020年7月1日から再開する。
再開するアウシュビッツでは、新型コロナウィルス感染拡大防止のために、新たな消毒ゲートを入り口に設置する。
消毒ゲートはポーランドのシレジア工科大学とポーランドのスタートアップ企業によって開発された。科学者たちによってデザイン、開発された消毒ゲートでは一人ずつ通ると全身が消毒され、
新型コロナウィルスの感染拡大防止のために病院施設などでも導入されており、今回、アウシュビッツ・ビルケナウ博物館と共同で製作。消毒ゲートは無人で完全自動で、
訪問客は一人ずつゲートを通るだけでセンサーが察知し消毒されるので、博物館の職員が訪問客との接触を極力回避することができる。アウシュビッツ・ビルケナウ博物館での採用が博物館での最初のこの消毒ゲートの導入となる。
アウシュビッツ・ビルケナウ博物館の館長のCywinski氏は「新型コロナウィルスの感染拡大防止のための革新的な消毒ゲートは今後の観光地でのニーズにも応えていくでしょう。アウシュビッツが初めての導入になることが嬉しいです」と語っている。
7月1日から再開されるが、入場人数の制限、見学時のソーシャルディスタンスの確保も要求されている。