心と体の性が一致しないトランスジェンダーの人たちが、就職活動で不利益を受けているとして、
履歴書の性別欄の廃止を求めるおよそ1万人分の署名を、NPO法人が経済産業省に提出しました。

署名を提出したのは、労働問題に取り組むNPO法人「POSSE」などで、ことし2月からインターネット上で署名を呼びかけたところ、
29日までに1万418人分の署名が集まりました。

心と体の性が一致しないトランスジェンダーの人たちは、就職活動の際に、履歴書に記載された性別と外見が異なっているとして、
面接で差別的な発言をされたり内定を取り消されたりするケースがあるということです。

一部の企業や地方自治体などで性別欄を廃止する動きが広がり始めていますが、NPO法人では、一般的な履歴書には性別欄が残ったままだとして、
廃止を求めるおよそ1万人分の署名を経済産業省に提出しました。

署名の提出後、記者会見を行ったNPO法人の今野晴貴代表は、「履歴書に性別欄があることは、トランスジェンダーであることを強制的に周囲に広めることにつながり、必然的にパワハラになることを知ってほしい」と話していました。

記者会見に同席したトランスジェンダー当事者の佐藤悠祐さんは、「性別欄を記入せず履歴書を提出したところ、強制的に書かされたうえで、
見た目と性別が異なることに対して根掘り葉掘り聞かれてつらい思いをした。早く履歴書の性別欄をなくしてほしい」と話していました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200630/k10012489501000.html