大阪府摂津市が事務的ミスで、60代の男性に対し住民税約1500万円を過大に還付していたことが関係者への取材で明らかになった。
男性は「還付金は既に借金返済や株取引の損失補塡(ほてん)に充ててしまったので返還できない」と説明している。
市側は返還を求めて法的手段に訴える意向を示しているが、男性の代理人弁護士は「返納請求を受けた時点で使い切っていたので、返還義務はない」と主張している。

 弁護士によると、市は2018年7月、男性の口座に住民税の「配当割額及び株式等譲渡所得割額」の還付金として、
1667万5577円を振り込んだが、府の調査でミスが判明。本来の還付額は165万5577円だった。
市は19年10月に「多大な迷惑をかけたことをおわびする」と謝罪し、差額約1500万円の返還を求めた。

 しかし、男性は年金で生活しており、返済は困難という。
男性は取材に「市がやることなので間違いないと思っていた。返還を求められた時には頭の中が真っ白になった」と語った。
弁護士は「市のミスが原因なのに、1年以上たった後に責任を取らせるのはあまりにも酷だ」と話す。

 男性の弁護士によると、法律上、男性は不当に利益を得たことになるが、民法は手元に残っている利益について返還義務があるとしている。
男性は全額を使ったと主張しているため、市が訴訟を起こした場合、男性側は全面的に争う方針という。

摂津市、事務ミスで1500万円過大還付 60代男性「使ってしまい、返還困難」
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