新型コロナウイルスの感染拡大で、バブル崩壊などで就職難だった「就職氷河期世代」が再び窮地に追い込まれている。
昨年から氷河期世代を中途採用する支援が広がっていたが、コロナで一転。業績悪化を理由に、企業から正社員化を
白紙にされたり、派遣切りに遭ったりするケースが出ている。

 大阪府内のIT関連企業で契約社員として働く女性(43)=兵庫県尼崎市=は昨年末、
上司から「春から正社員にする方針なので、面接を受けてほしい」と相談があった。
5年前から営業事務を担当し、正社員と同様にデータ管理などを担ってきた。
大学卒業後は非正規の仕事を繰り返してきたが、「これまでの努力が報われる」と感じたという。

 だが、3月に入り状況が一変。コロナウイルスの感染拡大で売り上げが激減し、4月になると正社員にするという話は白紙になった。
延期か中止か、まだ決まっていない。

 女性は「結局、私たちの世代の不遇は続く。いつまでも春が来ない」と唇をかみしめた。

 就職氷河期の中心層は30代半ば〜40代半ば。バブル崩壊後の1993年〜2004年ごろ、新卒で就職活動をした世代を指す。

 国は昨年、氷河期世代への支援を決めた。3年間で正規雇用を30万人増やす目標を掲げ、ハローワークへの専門窓口設置や、
失業者らを正社員で雇った企業への助成金などに取り組んでいる。

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https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202005/0013336668.shtml