楊潔篪氏来日へ 習近平国家主席の訪日に向け協議

 日中両政府は外交担当トップの楊潔篪(ようけつち)中国共産党政治局員が近く日本を訪れ、今春に予定する中国の習近平国家主席の国賓訪日に向けた協議をする調整に入った。日中関係筋が16日、明らかにした。

 習主席は4月にも訪日すると見られ、成果として1972年の日中共同声明などに続く「第5の政治文書」を発表するかが焦点となっている。楊氏はそれに先立って訪日し、北村滋国家安全保障局長ら日本側と政治文書への対応や安倍晋三首相との首脳会談の議題などを調整する見通し。

 外務省の秋葉剛男事務次官は今月13〜16日に訪中し、楽玉成外務次官や王毅国務委員兼外相と会談し、習氏訪日に向けた調整を始めた。両政府は「日中新時代」を掲げ、関係のさらなる改善を目指す考えだが、両国間には尖閣諸島を巡る対立や邦人拘束、海洋進出などの懸念も多く、日本国内には国賓訪日への批判が出ている。【田所柳子】

https://mainichi.jp/articles/20200116/k00/00m/030/275000c