日本人、鎌倉時代が最も短命…15〜34歳で死亡5割
6/14(金) 10:10配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190614-00010000-yom-sctch

読売新聞社
 中世の日本人は、他の時代に比べて短命だった可能性が高いことが、聖マリアンナ医科大の長岡朋人准教授(形質人類学)らのグループの研究でわかった。短命のピークは、中世前期の鎌倉時代にあたる12〜14世紀頃とみられ、弥生時代や戦国時代に比べても短命なことがわかった。

 長岡准教授らは、弥生時代から江戸時代までの各地の遺跡から出土した人骨810体を調べ、骨盤の関節にある「腸骨耳状面」と呼ばれる部分を分析した。
腸骨耳状面は、若いうちは滑らかだが、加齢とともにトゲ状の突起や穴が増える特徴があるため、死亡年齢を推定する有力な根拠になるという。
分析には統計的手法も使い、子供は除き、死者の年齢を「若年」(15〜34歳)、「中年」(35〜54歳)、「老年」(55歳以上)に分類して構成を調べた。

 その結果、弥生時代(紀元前5〜後3世紀)は、「若年」は2割程度で「中年」が3割程度、江戸時代前期(17世紀)は「若年」が3割程度、「中年」も3割程度だった。

 これに対して、中世前期(12〜14世紀)は、「若年」が5割程度を占め、「中年」が3割程度で、約8割もの人が「老年」を迎えることなく死亡していたことがわかった。

 今回用いた中世人骨は、由比ガ浜中世集団墓地遺跡など、人骨が大量出土した神奈川県鎌倉市内の遺跡に限られるが、長岡准教授は、「男女比や年齢構成に大きな偏りはなく、当時の一般的な死亡年齢構成を反映しているとみていい」と話す。