飲食店が集まるイベント「グルメンピック」を開催すると偽って飲食店などから出店料名目で現金をだまし取ったとして、詐欺罪に
問われた主導役の矢野千城被告(43)に、東京地裁(丹羽敏彦裁判長)は19日、懲役6年(求刑懲役9年)の判決を言い渡した。
勧誘役の男性2人はいずれも無罪とした。
もう1人の主導役とされる田辺智晃被告(43)=求刑懲役10年=は出廷しなかった。弁護人によると、同被告とは18日から
連絡がとれないという。地裁によると、田辺被告は2018年11月に保釈保証金600万円を納めて保釈されていた。検察側は
裁判所に田辺被告の保釈取り消しを請求したという。
丹羽裁判長は判決で、矢野被告がイベントの実質的な開催準備を進めずに出店料を集めたと指摘。「事件を主導した立場にあり、
責任は重い」と述べた。無罪とした2人は、開催を強く疑う状況にはなかったなどと判断した。
判決によると、矢野被告は田辺被告らと共謀し16年7月〜17年1月、飲食店の経営者に電話をかけ、開催する意思がないのに
東京と大阪でイベントを開くとうそをつき、約200人から計約5200万円をだまし取った。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42662840Z10C19A3CC1000/