【ソウル=桜井紀雄】韓国の情報機関、国家情報院が北朝鮮・平壌郊外の山陰洞(サヌムドン)にある「ミサイル総合研究団地」
で物資運送用の車両の活動を捕捉していたことが7日、分かった。米本土を狙う大陸間弾道ミサイル(ICBM)を製造した拠点として知られ、
韓国軍当局者は「施設維持の動き」とみている。2月末にハノイで物別れに終わった米朝首脳再会談と前後して北朝鮮が米側の出方に備えていた可能性がある。

 徐薫(ソフン)国情院長が5日に国会の非公開会合で説明したと出席した議員が明らかにした。トランプ米大統領との会談で金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が「完全廃棄」
の意思を示したとする寧辺(ニョンビョン)の核施設のうち、核燃料のウラン濃縮施設が会談前から「正常に稼働している」ことも把握しているという。

 金氏が既に廃棄を表明している北西部、東倉里(トンチャンリ)のミサイル発射場でも構造物を建て直す動きが捕捉されている。いつでもミサイル開発を再開できることを米側に誇示する
メッセージだとの見方もあり、米朝会談の物別れを受けて北朝鮮がこれら施設の現状維持を続けるのか、活動を一層活発化させるのかが注目される。

 昨年7月には、米紙が山陰洞の研究施設でICBMを製造している兆候があると報じていた。国情院はまた、寧辺の5千キロワットの原子炉について昨年末から稼働を停止し、
再処理施設の稼働の兆候もないと報告した。原子炉に関しては「老朽化し、技術的欠陥が発生している」との分析もある。
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