北方領土問題の解決に向け、日本とロシアが立ち往生している。それぞれの国内の強い反対で、譲歩が難しいことが背景にある。

  部外秘の情報であることから匿名を条件に語った日本とロシアの政府関係者3人によると、
両国の駆け引きは行き詰まり、領土に関する認識の食い違いが平和条約の締結を阻んでいる。

  ロシアのプーチン大統領は、北方四島に対する同国の主権を日本がまず認めるという要求を貫いている。
同大統領と安倍晋三首相は昨年11月、平和条約締結後にソ連が2島を引き渡すことを定めた日ソ共同宣言に基づき交渉を進めることで合意したものの、
1月のモスクワ会談で事態の膠着(こうちゃく)を打破することはできなかった。

残る2島の行方が最大の争点となっており、日本政府は返還要求の取り下げには後ろ向きだと、同国政府関係者は述べた。

  一方、ロシア大統領府が設置した調査グループ、ロシア国際問題評議会のアンドレイ・コルトゥノフ議長は、
プーチン氏の提案は「可能な限り最良の取引だが、もはやあまり希望はなさそうだ」と語った。

日ロの平和条約交渉が手詰まり、プーチン氏が領土で譲らず−関係者
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-02-15/PMZ82WSYF01U01