プリウスの場合
まず鍵を刺す必要がない。この時点で
車という危険な機械の操作業務を始めるという感覚が少し削がれる。

車が起動してもピッと謎の電子音がするだけ。メーター内の「ready」という謎の英単語を読んで初めて車が走行可能になったことを知ることができる。

普通の車ならセルモータのキュルキュル音やらエンジンの音やらで
感覚的に一瞬で判断できることだけど
プリウスはそれがない。

さらにシフトレバーを操作しても振動や音のフィードバックが無い。
しかも、シフトレバーは常に同じ場所に戻る作りなので
シフトレバーを目視してもなんの情報も与えてくれない。
全然違う場所にあるメーター内のポジション表示をよく見ないとシフトポジションを知ることもできない。
普通の車なら目を閉じててもある程度わかるがプリウスはそれを許さない。

初代プリウスは感覚をあえて残してあった。キーを回した時は必ずエンジンが動く設計だった。
燃費的には無駄になるけど、無意識・感覚的に車が起動したと理解できた。シフトレバーもガチャガチャ式で
ほかのAT車と一緒。
ドライブからバックにシフトを変えたときも必ず最初はエンジンを起動する。
On、Off、P、D、R、にきちんとメリハリがあった。
この5つの内のどの状態に車があるのかを
無意識に一瞬で判断できる作りじゃないとだめだと思う。

2代目以降のプリウスはなぜかそれを
削いで行く方向に行ってしまった。

「On、Off、P、D、Rなんてメーター見ればわかるだろ!」って言う人もいるだろうけどそういう問題じゃない。

特にエンジンが自動で止まったり動いたりするタイプのハイブリッドならなおのこと重要。