(社説)自民党総裁選 首相、論戦から逃げるな
 通常国会の閉会から1カ月。告示まで10日余りというタイミングで、ようやく安倍首相が自民党総裁選への立候補を表明した。ただし、
5年8カ月に及ぶ政権運営をどう総括し、新たな3年の任期にどう臨むのか、具体的な政策の発表は先送りされた。拍子抜けである。
 半月前に意思表示した石破茂・元幹事長は、その後、憲法、地方創生など、テーマごとに長時間の記者会見を開くなど、発信を強めている。
 これに対し、首相側の消極姿勢が際立っている。石破氏との論戦を避けるため、出馬表明をギリギリまで遅らせたとの見方もあるほどだ。
 首相はきのう、日本の国づくりについて「骨太の議論をしたい」と述べた。本心なら、速やかに自らの構想を示し、堂々と意見を戦わせてほしい。
 内政・外交とも論じるべきテーマは多岐にわたるが、首相が引き続き政権を担おうというのであれば、政治や行政への信頼を失墜させた森友・加計学園の
問題に、正面から向き合うことが大前提である。

ソース
https://www.asahi.com/articles/DA3S13652295.html