クルマの強制保険は健全化するか ナンバープレート読取装置導入で効果は年間5億円
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走行中のクルマのナンバープレートを読み取る装置が、2018年秋より全国へ導入されます。これにより、自賠責保険(強制保険)制度の直面している問題が抜本的に解決されるかもしれません。

社会問題化した無車検・無保険車対策に決定打
 走行中の自動車のナンバープレートの番号をカメラで読み取り、データと照合、車検の切れたクルマを判別できる「ナンバー読取装置」こと「無車検・無保険車等取締り装置」の全国配備が、2018年秋から始まります。
国土交通省が進めているもので、無車検・無保険車をなくし、その事故における賠償金の立て替え問題(後述)に対し抜本的な対策となる可能性を秘めた革新的な装置です。
「ナンバー読取装置」では走行中のクルマのナンバープレートをカメラがとらえ(画面右上)、読み取り(同右下)、データと照合し車検切れか否かを判定(中島みなみ撮影)。

 そもそもクルマやバイクなどが公道を走るためには、その所有者の意志に関わらず「自賠責(自動車損害賠償責任)保険」への加入が義務付けられているので(自衛隊車両など一部で適用除外あり)、「強制保険」とも呼ばれています。
これは被害者救済を目的としているため、仮に無車検・無保険車で起こした事故であっても、保険加入者と同じ水準で被害者への賠償金を立て替え、その後、加害者へ全額を請求する仕組みです。

 しかし、無車検・無保険車で事故を起こした運転者の賠償能力は著しく低いケースが多く、立替金が充分に返済されず、金融庁の自動車損害賠償責任保険審議会などでも、
加入者の保険料をなぜ無保険車=非加入者に使わなければならないのか、という疑問がたびたび提起されてきました。

 この「無保険」による被害者救済の支払いは、2017年度1年間だけで5億3000万円。1件平均で約370万円かかっています。同じように、加害者のわからないひき逃げ事件でも保険料から支払いを行っています。
国土交通省自動車局保障制度参事官室は「無保険車の事故は、死亡、後遺障害を残すケースが多く、支払い額が高くなる傾向が強いです」としています。

無車検や無保険は、別の違反がないとわからなかった
 そうした現状がある一方で、無車検・無保険車を発見する手段は、おもに幹線道路などで国土交通省が実施する街頭検査や、警察の交通検問、一般ユーザーからの通報などに限られていました。
しかも、国交省による街頭検査の主目的は不正改造車の取締りであり、警察が交通検問で発見する場合も、スピード違反や飲酒検問など別の取締りで停車を命じ、そこで車検証の提示を求めて初めて車検切れや自賠責保険未加入が判明する、といったところが実態でした。
無車検・無保険車の車両を割り出すには、多くの人員と時間を必要とする一方で、決定打となる対策がなかったのです。
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