ラーメンからステーキへ 幸楽苑の「いきなり」業態変更へ各社注目

ハイデイ日高、幸楽苑ホールディングス(HD)といった大型ラーメンチェーンの成長にブレーキがかかっている。
400円前後のラーメンや200円強の餃子のような格安メニューをつまみとする仕事帰りのサラリーマンの
「ちょい飲み」需要をとりこんできたが、人手不足による時給上昇や野菜などの原価増を背景に株価も伸び悩んでいる。

ハイデイ日高はこれまで、デフレを脱却しきれない日本経済を象徴する格好で、外食業界の「勝ち組」の役回りを
演じてきたと言える。つまり、じわじわと物価は上昇しているのだが、賃金はそこまで上がらない状況の中で、
1000円でおつりがくる程度ながらも一杯飲んで腹もふくれる――というメニューを提供し、小遣いに限りのある
顧客の胃袋をつかんできた、というわけだ。

■「日高屋」営業利益に急ブレーキ

(略)

■閉鎖する不採算店の一部を「いきなり!ステーキ」フランチャイズ店に

大型ラーメンチェーンとしてハイデイ日高と競ってきた幸楽苑HDは、さらに深刻だ。幸楽苑のメニューは日高屋より
やや高い程度で、最安ラーメン「あっさり中華そば」が421円、「味噌ねぎらーめん」が529円、ギョーザ(6個)216円、
生ビール(グラス)248円という具合だ。幸楽苑は2016年秋に異物混入事件を起こしており、なお信頼回復の途上でもある。
そうしたハンデもあって日高の2017年2月期の売上高385億円に対し、幸楽苑の17年3月期の売上高378億円と、
通期ベースで初めて日高に逆転を許した。幸楽苑は経費増が重なり、17年9月中間連結決算は営業、経常、
最終の各損益がわずかながら赤字に転落。18年3月期通期でも最終損益は6億円の赤字の見通しだ。
通期の最終赤字は初めて。

打開策として国内店舗の1割弱にあたる不採算の52店舗を閉鎖し、そのうち十数店は業態変更して「いきなり!ステーキ」
として開店する。「いきなり!ステーキ」を運営するペッパーフードサービスと提携し、そのフランチャイズ店としての
出店という異例の展開になる。「いきなり!ステーキ」は外食の中でも好調な肉がメインの店で、格安ラーメンに
比べ、客単価が高く、採算がとれると判断したというが、果たして業態転換が功を奏するか、業界各社が注目している。


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