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ネット上の表現の自由を巡る問題で大きな転換点となり得る判決が11月16日、大阪地裁であった。「まとめサイト」の大手
「保守速報」の管理人に200万円の損害賠償を命じたのだ。

まとめサイトとは、2006年ごろから日本で普及したブログの一形態。2ちゃんねるやツイッターなどに書き込まれた情報を、
意図を持って編集・転載し、記事の体裁にまとめるのが特徴だ。口語的なやり取りが多いため、新聞や雑誌の記事よりも親しみやすく、
若者を中心にこのスタイルが広まっている。

被告は「インターネット上の表現は、従来型のメディア上の表現と比較すると、誰もがその発信主体となり得るため、
一般の読者には信頼性の低い情報と受け取られるし、これにより一定程度名誉が毀損されても、被害者はインターネット上の
反論によりその回復を図ることが可能である」と主張していたが、判決では明確に否定された。

まとめサイトといえば、11月13日に放送されたNHKの「クローズアップ現代+」で大手まとめサイト「オレ的ゲーム速報@刃」の
月間広告収入が700万円にも及ぶことが明かされ、話題を集めた。情報をゆがめてあおり、特定の勢力を攻撃するまとめサイトがなくならないのは、
ひとえにリスクとコストがかからない「おいしい商売」だからなのだ。

その意味で名誉毀損、侮辱罪を巡る民事訴訟で最高額に近い200万円という金額が認定された今回の判決には大きな意味がある。
責任が明確化したことで今後はこうしたまとめサイトに対する訴訟も増えていくはずだ。

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