中央とねじれ 自民共VS維新

毎日新聞2017年9月18日 21時26分(最終更新 9月18日 21時26分)

24日投開 臨時国会冒頭での衆院解散が強まり一層複雑化

 任期満了に伴う堺市長選(24日投開票)は、大阪を地盤とする地域政党「大阪維新の会」の新人、永藤英機氏(41)と、
3選を目指す現職の竹山修身氏(67)が激しく争い、後半戦に入った。大阪都構想への再挑戦に向け、府内での影響力を保持したい維新に対し、
自民、民進、共産党などがそろって現職を支援する異例の構図は、臨時国会冒頭での衆院解散が強まり一層複雑化している。

 日本維新の会の松井一郎代表(大阪府知事)は18日、永藤氏の街頭演説で「総選挙で自民は民共を野合と批判し、民共は自民を批判するはずだが、堺では『松井をやっつけよう』と談合している」と相手陣営の「ねじれ」を批判した。

 維新は2013年の前回市長選で、大阪、堺両政令市を廃止して特別区を設置する大阪都構想を掲げたが、堺市の分割に反対した竹山氏に敗れた。これがダメージになり、都構想は15年、大阪市の住民投票で否決された。

 維新は来年秋に同市で住民投票を実施し「リベンジ」を狙う。このため、今回の堺市長選では永藤氏の公約から都構想をあえて外し、争点化を避けた。

 橋下徹前大阪市長が政界を引退した後、維新は勢力拡大に苦しんできた。同党幹部は「堺市長選で負けたら『維新は終わり』と言われ、住民投票でも圧倒的に不利になる」と危機感を募らせる。

 一方、自民党は竹山氏への支援を前回の「支持」から「推薦」に格上げした。10日の竹山氏陣営の第一声で、中山泰秀府連会長は「大切なものを送らせていただいた。自民党総裁・安倍晋三の推薦証だ」と強調した。

 安倍首相や菅義偉官房長官は憲法改正での協力を視野に、橋下、松井両氏と定期的に会談してきた。自民党関係者によると、維新側は今回、自民党本部が市長選に積極的に関与しないよう水面下で要請したという。

 しかし、二階俊博幹事長は7月、大阪市内で開いた二階派の研修会に竹山氏を招待。告示前に3回、堺市に入るなど全面支援をアピール。次期衆院選をにらんで維新と対決色を強めている。

https://mainichi.jp/senkyo/articles/20170919/k00/00m/010/077000c