映画ナタリー2024年5月12日 16:21
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監督として50本以上、プロデューサーとして500本以上の映画を生み出し、“キング・オブ・Bムービー(B級映画の王)”の異名を持つロジャー・コーマンが、アメリカ現地時間の5月9日にサンタモニカの自宅で死去したとIndieWireなどが報じた。98歳だった。

1926年に米ミシガン州で生まれたコーマン。第2次世界大戦中はアメリカ海軍に従軍し、スタンフォード大学卒業から数年後には20世紀フォックスでスクリプトリーダーの仕事を経験した。その後、1954年に初プロデュース作となる「Monster from the Ocean Floor(原題)」を手がけ、「デス・レース2000年」や、監督も担った「巨大カニ怪獣の襲撃」といったB級映画で成功を収める。

低予算映画を大量に製作する一方、コーマンは若い才能の発掘でも業界に貢献してきた。「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」で出演した新人のジャック・ニコルソンや、のちに「羊たちの沈黙」を手がけるジョナサン・デミは、それぞれコーマンのもとで実績を重ねていく。マーティン・スコセッシが「明日に処刑を…」でプロの監督として長編デビューを飾る機会を与えたのもコーマンだった。そのほか、ブルース・ダーン、ピーター・フォンダ、フランシス・フォード・コッポラ、ジェームズ・キャメロンらのキャリアにも深く関わっている。2009年にはアカデミー名誉賞が授与された。

ホラー映画「ボディ・バッグス」で仕事をともにした監督のジョン・カーペンターは、Xで追悼の意を表明。「私の人生にもっとも影響を与えた映画監督の1人であるロジャー・コーマンが亡くなった。彼と知り合えたことは私の栄誉だった。彼はSF映画とエドガー・アラン・ポーの映画で私の子供時代を形作った。 寂しくなるよ、ロジャー」とコメントしている。