朝日新聞
2024/2/26 9:00
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 日本テレビ系で放送されたドラマ「セクシー田中さん」の原作者で漫画家の芦原妃名子さんが1月に亡くなった。芦原さんは生前に自身のブログなどで、このドラマ化をめぐって事前に示した条件に沿わない脚本が示されるなどトラブルがあったことを示唆していた。テレビ局はドラマ原作者の権利とどう向き合うべきか、日テレの事後対応は適切だったのか――。企業や制作現場のコンプライアンスやコーポレートガバナンス(企業統治)に詳しい浅見隆行弁護士に尋ねた。

 ――因果関係ははっきりしませんが、脚本をめぐる意見の相違を抱えた原作者が亡くなりました。日テレ側の対応は亡くなったことがわかってから約2週間は、コメントを2回ホームページに掲載することにとどまっていました。この対応をどう見ますか。

 「危機管理の観点から考えます。今回の事案は業務に関連して死亡事故が起きた可能性があります。少なくとも、原作者側からは契約や制作過程のトラブルがあったことは示されています。普通の会社であれば重大事故ととらえる事案です。記者会見や第三者委員会を入れる対応が当然求められる場面です」

 「また、日テレは上場している日本テレビホールディングス(HD)の事業子会社です。HDはいわゆるグループガバナンスとして一事業会社に対してもっと積極的に介入しなければなりません。HDが主導して調査などの指導をする必要があります」

日テレの事後対応に「あまりにも遅い」
 ――その後、日テレは2月15日に外部有識者にも協力を依頼したうえで、ドラマ制作部門から独立した『社内特別調査チーム』を設置するとのリリースを出しました。

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