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日刊ゲンダイ

 過去ワーストを記録した「第74回NHK紅白歌合戦」(23年12月31日放送)の視聴率。平均世帯視聴率は第1部が29.0%、第2部が31.9%と、1989年に2部制が導入されて以降、第1部の30%割れは初めてとなった。22年末の紅白が第1部35.2%、第2部39.5%だったことを考えると、大幅な下落と言っていいだろう。しかし、今回、視聴率30%割れよりも気になったのが、NHKが番組中で見せた“悪乗り”ぶりだ。

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 NHKと蜜月関係にあるとされるスポーツ紙などのメディアからも、国民的歌番組の存在価値を問う論調が少なくなく、ここ数年叫ばれ続けている“紅白不要論”が一層加速した形だ。今回、創業者の故・ジャニー喜多川氏(享年87)の性加害問題を受けて、NHKは44年ぶりに旧ジャニーズ事務所(現STARTO ENTERTAINMENT)所属のタレントやグループを1組も出場させることはなかった。

「毎年5、6組は出場していたジャニーズグループの不出場の影響は不可避と思われましたが、2部で30%を死守したのは大きいと思います。紅白の裏で行われたSnow ManのYouTube配信も、前半のライブパートで133万人以上の同時接続数が話題になりましたが、これまで同時接続の日本記録だった手越祐也と同程度であることを考えると、旧ジャニーズで1番人気のグループがこれでは少し物足りない印象です」(芸能ライター)

■ジャニオタだけが喜ぶ紅白の終焉

 むしろ例年“ジャニーズ祭り”と揶揄され、ファン以外の老若男女が興味を持って視聴することが難しいパフォーマンスに、辟易していた層からの評判は意外と悪くないようだ。
 
「YOASOBIの『アイドル』では橋本環奈とanoをはじめ数々の奇跡のコラボが実現したほか、ポケビ、ブラビの千秋と離婚を発表したばかりのビビアン・スーの美魔女ぶりが話題になったり、演歌やK-POP、往年のヒット歌手の競演は多くの人が楽しめる内容で、今回のボーダレスというテーマに限りなく沿ったもので、ジャニオタだけが喜ぶ紅白がようやく終わった感があります」(前出・芸能ライター)

 そもそも、動画、音楽、漫画などネットメディアの急速な普及で可処分時間の奪い合いが激化する中で、紅白の30%割れは不可避と言えただろう。
 
「コロナの行動制限が解除された久しぶりの年末でした。例年3~5億円という制作費をかけてまで、紅白を存続させる意義が見出せませんが、今回特に解せなかったのが、放送中にアナウンサーに『受信料で支えて頂き有難うございます』と、何度も“受信料”を連呼させたことです」(スポーツ紙記者)

 SNSでは、能登半島地震や羽田でのJAL機と海保機の衝突事故など、自然災害や事件、事故の報道に受信料が使われることに納得の声が多い一方で、年々視聴者が少なくなった歌番組に多額の制作費を投入することに疑問の声は少なくない。

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