のん独立、ピエール瀧「逮捕」…やっと再放送のNHK『あまちゃん』が初見「Z世代」を魅了するワケ
6/13(火) 11:00 FRIDAY
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4月3日からNHK BSプレミアムで再放送がスタートした朝ドラ『あまちゃん』。Twitterでは連日、関連ワードがトレンド入りを果たすなど、同日に始まった今期の朝ドラ『らんまん』を上回る盛り上がりを見せている。

「このドラマは、’13年上半期に放送され注目を集めた宮藤官九郎が脚本を手掛けるオリジナルストーリー。第一部では、岩手県三陸海岸沿いにある架空の街・北三陸市を舞台に、東京の女子高生アキ(能年玲奈・現在のん)が母・春子(小泉今日子)と里帰り。

祖母・夏(宮本信子)の後を追って海女になり、思いがけないことから人気を得て地元のアイドルになる姿が描かれます。ドラマに登場する『じぇじぇじぇ』という言葉は、その年の流行語大賞を受賞。最終回が終わると、『あまロス』に陥る視聴者が続出するなど、朝ドラ界に金字塔を打ち立てました」(ワイドショー関係者)

その国民的ドラマが、10年ぶりに復活。しかし、再放送までの道のりは、長く険しいものだった。

「『あまちゃん』をきっかけに国民的女優となった能年は、翌年主演映画『ホットロード』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。スターへの階段を一気に駆け上がっていくかに見えました。ところが個人事務所を立ち上げ独立。能年玲奈から〝のん〟に改名しました。

その後、テレビ界から離れたこともあり、なかなか再放送されなかったものの’19年に待ちに待った『あまちゃん』の総集編の再放送が決定。しかし、ここでもトラブルが発生。出演していたピエール瀧がコカイン使用疑惑で逮捕され、総集編の後半部分はお蔵入り。NHKで陽の目を見ることはありませんでした。それだけに、今回の放送で『あまちゃん』を初めて観る視聴者も多いようです」(前出・ワイドショー関係者)

国民的ドラマとまで言われた『あまちゃん』。この作品が果たした役割は、とてつもなく大きい。その一端をここでつまびらかにしたい。

『あまちゃん』が画期的だったのは〝ドラマを観ながらつぶやく〟視聴スタイルの先駆けとなり、朝ドラにネット民を呼び込むことに成功した点。そのおかげで、若年の視聴者層を掘り起こした。かたよった見方をするなら、ネット民とのコラボがなければ今頃、朝ドラの命脈も尽きていたかもしれない。

しかしネット民は、このドラマのどこに魅力を感じたのか。その秘密は、ストーリーのあちこちに散りばめられた〝小ネタ〟にある。

元々、宮藤官九郎は小ネタ好きで知られるが、これが主要キャストのみならず、脇役の個性派俳優にまで及ぶため、小ネタの数はねずみ算的に増えてゆき、小ネタの〝伏線回収劇〟が連日Twitterのトレンドワードを賑わす結果となった。さらに、〝小ネタの伏線回収劇〟が、バイプレーヤーブームに火を付け、〝推しの文化〟を生み出したといっても過言ではない。

さらに今回の再放送が、『あまちゃん』を観たことがない「Z世代」女子の心を掴む可能性も充分にある。

「平成生まれの〝Z世代〟女子の間では今、80年代アイドルブームが起きています。〝坂道系〟などグループアイドル全盛時代の今の世代に、可愛らしく、歌も上手く、個性的な80年代のソロアイドルたちの姿は新鮮そのもの。

TikTokなどでは、〝Z世代〟女子が歌って踊る動画の投稿も増えています。さらに人気音楽番組『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)などでも『80年代女性アイドルソングランキング ベスト15』といった特集が組まれるなど今、大きなトレンドになりつつあります」(音楽プロデューサー)

(※以下略、全文は引用元サイトをご覧ください。)

文:島 右近(放送作家・映像プロデューサー)