2023年04月16日 06:55 野球
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 【インターリーグ アスレチックスーメッツ ( 2023年4月15日 オークランド )】 アスレチックス・藤浪晋太郎投手(29)が15日(日本時間16日)、本拠地でのメッツ戦に先発。6回0/3を投げ、3失点と試合をつくった。味方の援護に恵まれず、メジャー初勝利はならなかったが、今後の可能性を大きく広げる好投だった。

 力で押し込んだ。初回、先頭のニモには6球すべて直球を投じ、最後は96・5マイル(約155・3キロ)で空振り三振。続くマルテは97・7マイル(約157・2キロ)で左飛に打ち取った。2死から二塁打を許したが、ここまで6本塁打の4番・アロンソをスプリットで空振りの3球三振に仕留める上々の立ち上がりだった。

 2-0の4回1死、アロンソに特大の一発を浴び、1点差に迫られたが、動じなかった。続くマクニールをスプリットで一ゴロ、キャナは直球で中飛。5回、1死からギヨーメをこの日初めての四球で出塁させた。続くアルバレスの初球が大きくシュート回転して外れると、捕手のペレス、そしてベンチからは首脳陣もマウンドへと向かった。垣間見せた危うさ。だが藤浪は、それでも踏みとどまった。アルバレスを97・2マイル(約156・4キロ)直球で空振り三振。ニモも右飛に仕留めた。ぺレスと笑顔で会話を交わし、胸を張ってベンチへ。6回も先頭打者に死球を与えたが、後続を確実に断ち切った。

 7回、先頭のキャナに同点をソロを被弾。続く、ボーゲルバックに四球を出した時点で交代を告げられた。リリーフ投手が残した走者を還し、逆転されたが、十分に先発投手としての役割を果たす投球内容だった。

 先発した過去2戦はともに序盤は完璧な投球を披露しながらも、突然の制球難が原因で大量失点。計6回2/3で、7四死球を与え、防御率は17・55となっていた。前回登板後「難しく考えすぎかなとは思う。“もっといい所、いい所へ”とイメージしすぎだと思うので、もう少しシンプルに投げていければいいかなと思います」と話していたが、投球を修正することはできず、マウンドを去った。

 チームの「負のスパイラル」も関係なかった。アスレチックスは試合前の時点で3勝11敗と低迷。失点118は30球団唯一の3桁で、チーム防御率8・34は断トツの最下位。前日のメッツ戦ではメジャーワースト記録にあと「1」に迫る17四球を与え、今季6度目の2桁失点で大敗していた。投壊状態に陥っているチームを救うことはできなかったが、今後につながる投球内容だった。