2022年5月5日

『ONE PIECE』の最強能力といえば? 世界観を変えたチート級「悪魔の実」

尾田栄一郎の漫画『ONE PIECE』には、多種多様な「悪魔の実」の能力が登場する。その中で“最強の能力”は一体どれなのか…。誰もが頭を悩ませる難問ではあるが、最近ネット上では「ホビホビの実」がよく挙げられているようだ。


最強と呼ぶべきチート能力

これまで作中では、体がマグマになる「マグマグの実」や、雷そのものになる「ゴロゴロの実」といった能力が強いと言われてきた。そして『週刊少年ジャンプ』本誌では、さらに「ヒトヒトの実」幻獣種モデル“ニカ”が登場。能力の序列を書き換えることが予想されている。

しかしそれらと比べても圧倒的に強い「悪魔の実」が、ドレスローザ編に登場していた。それは「ドンキホーテ海賊団」特別幹部・シュガーが所有していた「ホビホビの実」。“触れた者をおもちゃにする”という凶悪な能力だ。

しかも、おもちゃにした相手には絶対服従を強いて、命令を下すことができる。実際、ドフラミングはシュガーの能力を利用して反発する者をおもちゃに変え、強制労働させていた。

それによって「ドレスローザ」を国ごと掌握し続けたことを考えると、あまりに恐ろしい。単純に1対1で相手を倒すだけの「悪魔の実」よりも、よほど使い勝手がいい能力と言えるだろう。


もはや作品のジャンルが変わる?

「ホビホビの実」の凶悪さはそれだけではない。おもちゃにされた者は、周りの人間からその者に関する記憶が消えるため、存在しなかったものとして扱われる。

これは「ONE PIECE」という作品の世界観自体を揺るがしかねない設定だ。通常、「悪魔の実」で他人の精神に干渉する場合には、かなり発動条件が限定される。たとえばお玉の「キビキビの実」や、ペローナの「ホロホロの実」などは、何らかの形で対面した相手に働きかけることが必要だ。

ところが「ホビホビの実」は、そうした接触を必要とせず、おもちゃに触れた者の関係者から記憶を奪う。場合によっては世界中の人間に干渉できると考えると、もはや「悪魔の実」の原則から逸脱していると言えるだろう。

漫画において「能力者」の設定を導入すると、下手をすると“なんでもあり”の世界観になりがち。「ONE PIECE」がそれを免れているのは、「悪魔の実」の適用範囲に厳しい制限を設けているからだと思われる。しかし「ホビホビの実」は、そんな制限を破壊しかねないほどのチート能力だ。

あまりに強いため、読者の間では《ホビホビの実とか完全にご都合主義で出てきたよな》《ホビホビの実はやりすぎた》といった声もあるが…。今後同じような脅威の能力が出てくる可能性はあるだろうか。

https://myjitsu.jp/enta/archives/103421