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2022年の正月、日本中があるニュースに驚愕しました。あの『うる星やつら』が新作アニメとして放送されるというのです。本作がテレビアニメ放送されていたのは約40年前のこと、しかも今回は声優も一新します。原作漫画の作者であり、『うる星やつら』のほかに『らんま1/2』や『犬夜叉』などのヒット作を生み出してきた高橋留美子さんに、『うる星やつら』の制作秘話や新作アニメに対する思い、そして現在「週刊少年サンデー」で連載中の『MAO』について聞きました。

――女の子が大好きな主人公のあたると、宇宙人のラムを中心にたくさんの人物が登場するSF要素の強いラブコメ。漫画もアニメも社会現象を巻き起こした本作が今年、声優を変えて新作アニメを放送することになりました。聞いたとき、原作者としてどう思いましたか?

 「今やるんだ!」と驚いたし、40年以上前の作品を新作アニメとして放送するために動いてくださっていた方々の存在を感じて嬉しかったですね。シナリオを読むと予想以上のおもしろさで「これは昔アニメを見ていた方も、新しく見始める方も楽しめそう」と感じ、私自身、放送がますます楽しみになりました。声優さんたちを変えることについては、メインキャラを演じた方々は現在も活躍しているので、続投でも大歓迎なのですが、「2022年からのうる星やつら」として声優さんや物語の描写を一新するのも良いなと思いました。

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――だからトラ柄のビキニを着ているのですね。ほかにも、ラムの「〜だっちゃ」という喋り方は今や世界的に有名です。

 喋り方に個性をと考えたとき、仙台を舞台にした青春小説『青葉繁れる』(井上ひさし/文藝春秋)を思い出したんです。それに私のデビュー作『勝手なやつら』に登場する異星人が千葉の方言「〜だっぴゃ」を使っていて仙台の方言と似ていたので、ラムの喋り方はその方言に近いものにしようと決めました。

 当初、『うる星やつら』は5話連載で、ラムは第1話だけに登場する予定でしたが、第3話でラムをまた出せると気づき、そこからあたる、しのぶ、ラムの三角関係が5話連載の軸になりました。大反響だったと知ったのは、連載が終わってから。3人とも読者に愛されていて、「この三角関係がどうなるのか気になっている人が多い」と聞いて、長期連載が決まったとき、続投でラムも登場することになったんです。
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――高橋さんは『うる星やつら』の途中から、恋愛漫画『めぞん一刻』の連載も始めました。同時連載は大変だったのでは?

 まだ20代だったので疲れても無理というほどではなかったし、眠気や肩こりも感じず、漫画家の仕事が楽しくて心が沸き立っていました。

――『うる星やつら』完結の決め手となったのは何ですか?

 しのぶです。話が進むにつれてあたるとラムがカップルのようになって、しのぶをどうすれば幸せにできるのか考え始めました。そこで思いついたのが、あたる、ラム、しのぶがパラレルワールドでたくさんの未来のドアを見つけるエピソードです。「これでしのぶにも明るい未来が見えた」と感じ『うる星やつら』完結を決めました。登場人物みんなが幸せで、読者が「読んでよかった」と思えるような結末にできました。

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