第94回アカデミー賞授賞式が3月28日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『コーダ あいのうた』の
トロイ・コッツァーが助演男優賞を受賞。男性のろう者の俳優が、アカデミー賞の演技部門で初めてオスカー像を手にした。

家族の中でただ1人の健聴者である少女が、歌の才能を見いだされ、ろう者の両親の大反対を受けながら、名門音楽大学への
進学を目指す姿を描いたヒューマンドラマ。2014年製作のフランス映画『エール!』のリメイクで、題名の“CODA”は、
“Children of Deaf Adults”(耳の聴こえない両親に育てられた子ども)を指す。

トロイは生後間もなく、聴覚に障がいがあることが判明。10代の頃から演技に触れ、2001年に出演したテレビシリーズで俳優として
本格デビューを飾った。その後、「CSI:ニューヨーク3」「クリミナル・マインド8 FBI行動分析課」「マンダロリアン」など数々の
テレビシリーズに出演。本作では娘ルビーの歌声が聞こえず、その才能を信じられずにいたが、思いがけない方法で
娘の才能に気づき、意外な決断を下す父親フランクを好演した。

なお、トロイをはじめ、主人公の家族3人(父親、母親、兄)を実際に聴覚に障がいを持つ俳優たちが演じた。
母親役のマーリー・マトリンは、ろう学校に赴任した教師と、ろう者の女性の愛と献身を描いた『愛は静けさの中に』で
第59回アカデミー賞主演女優賞を獲得している。

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