■日本が台頭して生まれた「トップファイブ」
 アジアのトップファイブと言うのは、日本のほかに韓国、オーストラリア、イラン、サウジアラビアの5か国のことだ。

 1990年代の初めに日本でJリーグが発足したことで、日本のサッカーが急速に台頭したことによって、アジアでは「4強体制」が確立された。

 いわゆる「ドーハの悲劇」で知られるアメリカ・ワールドカップ最終予選ではサウジアラビアが1位、韓国が2位でワールドカップ出場を決め、日本は3位で涙を呑んだ。ちなみに、この大会ではイラクが4位でイランが5位だった。

 その4年後、2組に分かれて戦った最終予選でも、やはりA組のサウジアラビアとB組では韓国がそれぞれ首位で予選を突破。日本は第3代表決定戦に勝って、4年前のドーハと同じ3位だったが、この大会からアジア枠が3.5に拡大されていたためワールドカップ初出場を果たすことができた。ちなみに、4位となったイランは当時オセアニア連盟に所属していたオーストラリアとプレーオフを戦い、2引き分けの末、アウェーゴールの差でフランス本大会に駒を進めた。

 その後も順位はその大会ごとに入れ替わるものの、ワールドカップ予選やアジアカップなどはほとんどこの4か国が上位を占めるようになった。そして、2006年にオーストラリアがアジア・サッカー連盟(AFC)に加盟したことで、「4強体制」は「5強体制」となって現在に至っているのだ。

■5強のうち3チームが同居したグループB
 今回のワールドカップ最終予選で日本は厳しい戦いを強いられているが、それはグループBには日本のほか、サウジアラビアとオーストラリアと「5強」のうち3チームが入ったからだった。強豪国が2つだけだったグループAではイランと韓国が圧倒的な成績で、すでに予選突破(グループAの2位以内)が決定している。

 イランや韓国は最終予選を楽に突破したのだが、最終予選で厳しい戦いを経験することができなかったことは、本大会に向けての強化という意味ではむしろハンディキャップとなってしまうかもしれない。

 つまり、アジアのサッカーを強化して、ヨーロッパや南米に迫るためには、アジア大陸内でもっと厳しい戦いを増やさなければならないのだ。

 そのためには、「5強」がタイトルを懸けて戦う場を増やすべきなのではないか?

サッカー批評 2/4(金) 7:42
https://news.yahoo.co.jp/articles/8a613ce72042fd6119764fc09cf479e30a4f1ae6?page=1